グラフィックデザイナーとして、広告やポスターなどの視覚的なデザインをされている井出さん。グラフィックデザイナーというお仕事で具体的に何をしているのかお話を伺いました。
岩田 本日は、快くインタビューに応じて頂きありがとうございました。
今日は井出さんの仕事について教えてください。それではさっそく始めましょう!
グラフィックデザイナー・井出さんPOINT!
- 資格:資格は特になし
- 魅力:自分が作ったものによって、依頼人の集客に貢献できたと思えたときが嬉しい!
- 努力:視野を広げるために、世の中の色んな情報を見るようにしている!
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今のお仕事について
― グラフィックデザイナーとは具体的に何をしているのですか?

井出さん ロゴマークのデザイン、会社のポスターや会社案内、記事などの視覚的なものを作っています。
例えば、会社のポスター作成を頼まれたときには、その会社の強みをどうやったら一般の人に分かり易く伝えられるかっていうのを考えながら、画にしていきます。
今はWebデザインもしていますね。
― 今のお仕事に就いたきっかけはなんですか?
井出さん 小学校の頃から絵を描いたり、ものを作ることが大好きだったんです。
そのころから、実家にイラストレーターとフォトショップっていうデザインで使うソフトがあって、父親にそれを使って何か作ってみろって渡されてました。
あと、MDNっていうデザインの情報誌も父親が定期的に買ってきてくれたので、ソフトの使い方はその雑誌を見ながら勉強しました。
高校で将来を考えた時に、とりあえず美大に入ろうと思い、美大で「やっぱりデザインは楽しいなぁ」と思ったので、そのままデザインの仕事に就きました。
― グラフィックデザイナーに求められる資格や免許はありますか?
井出さん 無いと思います。
イラストレーターの検定や、Webならプログラムの検定があるかもしれないですけど、仕事をする上で使えれば大丈夫なので、僕は資格を何も持っていないです。
― グラフィックデザイナーに求められる知識や技術はありますか?
井出さん 技術は、イラストレーターとフォトショップというソフトが使えるということが最低限必要です。
もしWebデザインもするならまた違う技術がいるし、プログラムを組む知識もいるので、どこまで仕事をするのかによって変わってきます。
知識については、デザインの幅が全然変わってくるので、色んなデザインを知っててもらいたいですね。
― 幅を広げるために、どんなデザインに触れましたか?

井出さん 学生時代に、とりあえず色んなデザイナーを知れと言われたので、デザイナーの本を片っ端から読んで、日本のデザインをまとめた年鑑も全部読んで、目で覚えました。
あとは、日本のデザインばっかりじゃなくて、海外のデザインも見るようにしましたね。
― 色んなデザインに触れる中で、このデザインが好きだなとか、これは好みじゃないなというのはありますか?
井出さん ありますね、この人のデザインはすごく好きっていうのはあります。
ただ、自分の好みじゃなくても、そのデザインの優れているところを見つけて、自分なりに取り込んでいます。
求められる適正や仕事の魅力について
― このお仕事の適正とはなんでしょう?
井出さん デザインを好きでいることです。
定時に帰れないことが多いので、デザインが好きじゃ無いと途中でこの生活が嫌になって続かない気がします。
あとは、特にWebだとデザインの流行の移り変わりが激しいので、最先端に触れようっていう向上心があったほうが良いですね。
― では、このお仕事の魅力はなんですか?
井出さん 依頼人が喜んでくれたときは嬉しいですし、なおかつそれによって依頼人のお客さんが増えるとか、仕事ではそういうことが一番重要なので、それに貢献できたなって思えたときは嬉しいですね。
― 自分のデザインしたものが世の中に出るというのは嬉しいですか?
井出さん それはそれで嬉しいですけど、デザイナーはアーティストとは違って、そのお客さんのさらにお客さんたちにどう上手く伝えるかが大事なので、自分のデザインが出た嬉しさよりはそっちのほうが重要ですね。
― では、このお仕事の厳しさはありますか?
井出さん 一からものを作っていくのですが、文字の配置から画像のデ ザインまで、すごく絶妙なバランスでデザインって組み立てていくんですよ。それでOKが出て、じゃあ印刷しよう、Webにアップしようとなった一歩手前 で、やっぱりここの文字の色はピンクだねって言われたら、今までのものが一気に全部崩れて、もう一回最初から全部作り始めないといけないっていうときがあ るので、そういうのは辛いですね。
また、アイディアが出ない時もあるので、色んな人に話したり、自分でできる限りゴールに導くときもあります。
あとは、デザイナーの中での流行のデザインを出したとしても、それが一般の人には受け入れられないかもしれないので、それを見極めるのも大変です。
自分自身について、学生時代の事
― 自身の仕事について考えるようになったのはいつ頃ですか?

井出さん ものつくり自体は小学生の頃から好きでしたけど、仕事について具体的に考えるようになったのは大学の時です。
― 仕事をするようになって大きく変化したことはありますか?
井出さん 自分の好きなものだけを作っていられなくなりました。
例えば、大学でポスター作成の課題が出たら、自分の好きなデザインで作れば良かったんですが、社会に出てからは依頼人の意向に沿ったものを作る必要があるので、もしイラストが得意だったとしても写真を使わないといけないとかはありますね。
ただ、あまり自分が作ったことの無いデザインをすることで、デザインの幅が広がりますけど。
あとは、普通の仕事よりは拘束時間が長いので、自分の時間をどうやって効率的に過ごそうかなって考えるようになったので、無駄な時間は少なくなりました。
― どんな学生生活を送りましたか?
井出さん ずっとデザインのことばっかり考えていました。
学校が山の奥にあって、車が無いと外に遊びに行くっていう選択肢が無いので、一番時間をつぶせるのが学校の図書館で、そこで昔の建築とか色んなデザインを見ていました。
― 授業後も学校でデザインの勉強をしていたのですか?
井出さん 図書館には授業の合間に行って勉強していました。
3年で卒業できる単位は取ったんですが、大学で学べることは全部学んでおこうと思って、それからも出られる授業には出てましたね。
授業後はゲームとかカラオケとかに行って、バイトはぼちぼちやってました。
― 学生時代になりたかったお仕事はなんですか?
井出さん デザイナーですね、それしか考えてなかったので。
― 学生時代の経験で役に立ったことはありますか?
井出さん ソフトの使い方くらいかなぁ…社会に出て、即戦力には全くなれなかったですけど。
仕事となるとまずスピード感が違うし、社会に出てすぐだと素人以上プロ未満っていう位置で、結局仕事に慣れるのに3ヶ月くらいかかりました。
あとはデザインの勉強をしたことは役に立ってるかなぁ。ただ、社会に出てすぐに依頼人が求めているデザインが出来るかって言うと難しいですね。
最後に3つお聞かせください
― 仕事のために努力していることはありますか?
井出さん 世の中の色んな情報を見るようにしています。できる限り視野が広がるように、Webとかニュースとか、世の中の情報を取り入れるようにしています。
日本だけじゃなく海外の情報も…英語はできないんですけど(笑)
あと、Webは流行の移り変わりが激しいので、その新しい技術はどうやって作るんだろうって勉強しています。
― 今のお仕事を漢字一文字で表すと?
井出さん 「創」ですね。
ものを創り出しているので。
― 井出さんんは何のために仕事をしていますか?
井出さん 自分が楽しいから、好きだから…自分のためですかね。
仕事も楽しくやりたいし、プライベートも楽しくやりたいし、自分の好きなことやって生きようと思っているので。
職業の中ではグラフィックデザイナーの仕事が一番性に合ってるかなと思います。
岩田 ありがとうございました!とても勉強になりました。またご機会あれば色々とお話をお伺いさせてください。

取材後記
皆さんこんにちは、think forの岩田です。 今回は、グラフィックデザイナーの井出さんのお話を聞きました。 井出さんとお話をしていて、本当に小さいころから今までずっとものを作ることが大好きだということが伝わってきました。
社会に出てからは好きなものだけを作っていられなくなったけれど、デザインの幅が広がったという井出さん。 学生の頃とは違い、社会に出れば「仕事」なので、やりたいことばかりではありません。
自分の苦手なこともやらなければいけないし、上司やお客様は選べないので気の合わない人とも付き合わなければなりません。さらに仕事には責任も伴ってきます。
そんな時、井出さんのように前向きに考えてみてはいかがでしょうか? 自分の苦手なことをすることで、それができるようになれば仕事の幅が広がります。
気の合わない人と付き合えるようになれば、コミュニケーションスキルが身に付き、気持ち良く仕事ができるようになります。 上司は、私ならできるだろうと思って、責任ある仕事を任せてくれているはずです。
要は考え方次第。嫌なことを嫌だと思っていては何も進まないので、自分のためになるんだ!と前向きに考えてみましょう。
井出さんの今後のさらなるご活躍をお祈りしております。 依頼人とその先のお客さんを幸せにしてあげてください! 岩田
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