カウンセラー、コーチ、講師として、さまざまな人の相談を受けたり、セミナーを行っている平山さん。今回はカウンセラーのお仕事を中心にお話を伺いました。また、日々の中で感じることなどを語っていただきました。
岩田 本日は快くインタビューに応じてくださってありがとうございます。
今日は、平山さんのお仕事についていろいろ教えてください。
それではさっそく始めましょう!
カウンセラー・平山さんPOINT!
- 資格:取らなくてもなれるが、取っておいたほうが良い。
- 魅力:人間の法則のような、物事の本質が見えてくる!
- 努力:仕事以外でも、色んな人に会うようにしている!
|
今のお仕事について
― カウンセラーとはどのようなお仕事なんですか?
平山さん 悩みを抱えた方とか、現状をもっと良くしたいだとか、そういう方のお話を伺って、本音を見つけたり、解決に向かうように一緒に話し合います。
僕の場合は、基本社会人で健常者の方を対象にカウンセリングを行っています。
― では、カウンセラーでも対象になる方によって色々種類があるんですか?
平山さん そうですね。鬱と診断された方を対象にカウンセリングをする方や、学生を対象とするスクールカウンセラーの方もいらっしゃいますね。
― 今のお仕事についたきっかけは何ですか?
平山さん 33歳の時に仕事にすごく行き詰まって、きっと自分のメンタルの問題だろうなって思って、心理学を学び始めたことがきっかけですね。
結局40歳で仕事は辞めてしまったけど、タイミング良く元上司がコーチングスクールの講師をやらないかって誘ってくれて・・・在職中にカウンセリングとかの資格も取っていたので、やってみようと思いました。
― カウンセラーに必要な資格や免許はありますか?
平山さん メジャーどころは臨床心理士、精神保健福祉士、産業カウンセラーなどですね。
僕は産業カウンセラー以外の資格は持っていないです。
精神保健福祉士とかは国家資格なんですけど、臨床心理士とかカウンセラーは国家資格じゃないです。
・・・実は、資格が無くても誰でもできちゃいます。
― 資格がなくてもできるけれども、持っている方が良いということですか?
平山さん カウンセリングを受ける側の安心材料の1つになると思います。
― 求められる知識や技術はありますか?
平山さん 心理学ですね。人によって影響を受けた心理学は違うと思いますが、僕の場合は、ユング、論理療法、アドラー心理学と、選択理論ですかね。あとはゲシュタルト療法とフォーカシング…挙げていくと切りがないでしょうね。
― 他に必要な知識や技術は?
平山さん 信頼関係を結ぶ力ですね。この人には何を喋ってもいいんだっていう安心感がないと、カウンセリングできないですね。
あとは聴く力だと思います。
求められる適正や仕事の魅力について
― このお仕事の適正とはなんでしょう?
平山さん 純粋に人間に興味が持てたりとか、正しい・間違いで人を見ないとか、道徳面や常識的な考えを外して、聴くっていうことでしょうね。
― では、魅力とは?
平山さん ものごとの本質が見えてきたのは、お金で買えない財産ですね。
要は、殻にこもったり一人で抱え込んだりすると、悩みが深くなったり、現実に向き合えば向き合うほど人間の強さが出てくるってことがシンプルに法則のようなものだなって分かったりとか。
あとは、色んな方のお話を聞くので、さまざまな人生があることが見えてきて世界が広がることですね。
ー この仕事の厳しさとはなんでしょうか?
平山さん 相手の人生を左右してしまうこともありますね。
ある事例を伝えたことで、それに影響を受けて、精神科に入院しちゃったりとか・・・そういうときは安易にこういうことをテーマとして取り上げた自分をすごく省みたりとか、時には責めたりすることもあります。
どういう影響が出るのか考えてやってるんですけど、心っていう見えない部分な分、予想外のことが起きたりします。
自分自身について、学生時代の事
― 自身の仕事について考えるようになったのはいつ頃ですか?
平山さん 33歳で仕事に行き詰まったときですね。
― 仕事をするようになって大きく変化したことはありますか?
平山さん カウンセリングをすることで、クライアントさんとの共有体験が増えて、僕自身「自分でいいんだ、自分を信じていいんだな」って、なんの根拠も無く思えてきたことですね。
それによって、夫婦関係だったり、他者との関係ももちろん変わりましたね。
あとは、人を良い・悪いで判断しなくなったことです。
最初は引きこもりの人とか、ニートとかを見ると、働けよって思ってたんですけど、今はだいぶ無くなってきましたね。様々な理由があってそうなってるんだろうなって。
― 平山さんはどんな学生時代を送ったんですか?
平山さん 学校には卒業できるギリギリで行って、バイトと旅行ばかりしてましたね(笑)
バイトや旅行で知り合う人は、面白い人が多かったんですよね。
― 学生時代になりたかったお仕事はなんですか?
平山さん 駅にあるポスターが作りたくて、デザインの仕事がしたいと思ってました。
実際に情報誌の会社に入って、デザインとか営業とかプログラミングをやってましたね。
― 学生時代の経験で役に立ったことはありますか?
平山さん 完全に“失恋”ですね。すごい振られ方をしたので、強烈にトラウマのように残ってて…このときにどんなに頑張っても思い通りにならないことがあるんだなって身に染みて分かりました。
それまでは子どもみたいに思い通りにしてやるって思ってたけど、相手も尊重しないとなって思いましたね。
最後に3つお聞かせください
― 仕事のために努力していることはありますか?
平山さん 色んな人に会うようにしています。会うことで、色んな人がいることが改めて分かったり、常識がこうだというものが外れていくので、人の話を聞くことにも役立っていると思います。
あとは、気功や整体を学ぶことで、相手の気づかないようなところに触れられる直感力を養ったりしています。
― 今の仕事を漢字一文字で表すと?
平山さん 「安」ですね。
僕は本当に自分でいいんだなって思ったことで、不安から安心になったんで。
あとは、人に「自分で良いんだ」っていうのを提供したいと思ってるので、これを漢字1文字で表すとこの字かなって。
― 最後の質問です、平山さんは何のために仕事をしていますか?
平山さん これはエゴ丸出しですけど、自分自身のためと、やっぱり幼い時に共有体験が少なかった方達のために役に立ちたいと思いますね。
岩田 ありがとうございました!とても勉強になりました。またご機会あれば色々とお話をお伺いさせてください。
取材後記
皆さんこんにちは!think for岩田です。
今回は平山さんとお話しました。私にとっては想像もつかない領域のお仕事だったので、いつもの取材より長くお付き合いいただきました。仕事柄なのか、とても柔らかい雰囲気で安心して取材を進めることができました。
昔は、人に話を聞いて欲しい側だったという平山さんですが、話を聞くことで世界が広がることに気づき、今は話を聞く側のお仕事についていて、そういう変化から全く逆の仕事に就くこともあるんだと改めて気づかされました。
カウンセラーには、鬱の方などが掛かるイメージもありますが、現状をもっと良くしたいという方もカウンセリングを受けるということで、イギリスなど では普及率が高く、出社前に気軽に受けたりもするそうです。日本でもそのように気軽にカウンセリングを受ける方が増えれば、より良い生き方ができる方が増 えるのではないかと感じました。
ただ、新卒時に心理カウンセラーを目指したい!という方はきっと少ないですよね。社会に出て、色々経験して初めて気づく事って多いはずです。働く事によってきっと自分の中で見つけられるものがあると思います。やりたいことが見つからないと悩んでいるあなた。
難しく悩む前に社会に出てみよう!「あっこれだ」と見つかる瞬間は絶対来ます!
平山さんの今後のさらなるご活躍をお祈りしております。
たくさんの人に安心を与えてあげてください! 岩田
|
平山さんから学生の皆さんへオススメの書籍