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教科書営業 長縄 芳生さん

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教科書営業として、日々学校を回られている長縄さん。今回は、教科書営業というお仕事で具体的に何をしているのかお話を伺いました。

岩田 本日は、快くインタビューに応じてくださってありがとうございます。
今日は、長縄さんのお仕事についていろいろ教えてください。
それではさっそく始めましょう!

教科書営業・長縄さんPOINT!

  • 資格:学校を回るため、自動車免許が必要。
  • 魅力:自分たちの作った教科書を使って子どもたちが勉強し、成長していく!
  • 努力:会話力が上がるよう、本を読んだり上司や先輩から話を聞いている!

 

今のお仕事について

 教科書営業とは具体的に何をしているんですか?

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長縄さん 教科書を採用していただくための営業と思われそうですが、それよりは採用していただいた後のアフターサービスを中心にやっています。
教科書なので完璧でなければいけないんですが、人が作っているものですから、ミスがあったり、データが古くなっていたりということもあります。
教科書は毎年改訂されるわけではなく一定期間は同じものが使われます。そのため、今使っている教科書の修正箇所の意見を聞いたり、最新のデータを手に入れたりするために、ほぼ毎日学校を回って学校の先生から意見をいただいています。
その上で、次に出される教科書がお客様の意図したものとなるように最善を尽くすのが教科書営業の仕事だと思っています。

 今のお仕事に就いたきっかけはなんですか?

長縄さん 実は今の仕事は3社目なんです。
大学卒業後に塾の先生をしたんですが、残業が多かったりだんだんやりたいことと実務にズレが出てきて、教育関係に未練を残して辞めました。
次に残業の少ない仕事を探して、お菓子屋の配送員をしましたが、途中から色んな事情で仕事の時間が不規則になって、それでもしばらくは続けましたが、結婚して子どももできたので、給料面も含め、この生活だと家族を養っていくのは厳しいと思って、再度転職を考えました。
教育関係に未練があったので、教育関係を中心に探したらたまたまこの仕事を見つけて、教科書は教育の一番基本じゃないか!と思って、今の仕事に就きました。

 教科書営業に求められる資格や免許はありますか?

長縄さん 学校を回らなきゃいけないので、自動車免許が必須です。
逆にこれがないと仕事にならないので、安全運転にはすごく気をつけています。
例えば違反続きで免許が無くなったら、社外での仕事に出られなくて教科書営業としての仕事ができなくなってしまいますので。さすがに自転車や徒歩で学校を回るわけにもいきませんからね、日が暮れてしまいます(笑)
教員免許がなければいけないってことは無いので、それ以外は免許も資格も要りません。

 教科書営業に求められる知識や技術はありますか?

長縄さん 知識に関しては、その教科の専門知識がすごく沢山いるかというとそうでもなくて、まず先輩には「先生はプロなんだから、お前が説明するな」と言われました。
自社の製品だからといってこちらが説明したところで、先生のほうが詳しいですから、あくまでも自分は教えていただくという姿勢でお話を聞いています。
なので、必要な技術は聞く力、というか教えてもらう能力ですね。
自分で説明して自分が売るんだ!というのではなくて、現場で使っている先生に教えてもらって、より良くしていこうという気持ちでやっています。

 

求められる適正や仕事の魅力について

 このお仕事の適正とはなんでしょう?

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長縄さん やはりさまざまなタイプの先生がいるので、柔軟に物事を捉えられる力ではないでしょうか。
あと、結構厳しいお言葉をいただくこともありますので、ある程度打たれ強い方が向いていると思います。
また、学校を回る上で予定より時間が長くなったり、先生が不在だったりして、その場で柔軟に仕事の予定を組む必要があるので、応用力が大切かもしれないですね。

 では、このお仕事の魅力はなんですか?

長縄さん 自分達の作った教科書が教育現場で使われて、その教科書を見て子ども達が勉強して成長していく、ということが魅力です。
将来、色々な可能性のある子ども達の教育の基本ですからね。
あとは大好きな教科書を扱えることです。私は小さい頃から教科書がすごく好きで、小学校で教科書をもらってくると国語の教科書とかすぐに全部読んでいました。
勉強は嫌いですけどね(笑)

 では、このお仕事の厳しさはありますか?

長縄さん 回る学校が多いので時間に追われることが結構あって、次行かなきゃって焦ると対応がおろそかになってしまったり、会わなきゃいけない人に会ってなかったりってことになってしまいますね。
そして、たくさんの人の顔を覚える必要があります。名札をしてない先生が多いので、なるべく早く名前と顔を覚えなきゃいけませんね。
あとは、ある程度教科書の内容を頭に入れておかないといけないので、苦手な教科でも勉強が必要です。

 

自分自身について、学生時代の事

 自身の仕事について考えるようになったのはいつ頃ですか?

長縄さん 教育に関しては大学の時に教育心理学を学んでいたので、大学の時です。
具体的な仕事に関しては、前の仕事から転職するときですね。

 仕事をするようになって大きく変化したことはありますか?

長縄さん よく考えるようになりました。前の仕事は注文書が来て、この商品をいくつここへ持って行くっていう比較的単純作業だったんですが、今はどうやって学校を効率良く回れるか、どのようにすればよりよい営業活動ができるかを色々考えるようになったので。
仕事の内容がガラっと変わったので、仕事に対する意識も良い方向にガラッと変わりました。

 どんな学生生活を送りましたか?

長縄さん 授業には出ていましたが、勉強嫌いの大学生でした(笑)
バイトは沢山して、飲み会に行ったり、ゲームセンターで当時流行っていたゲームをやったり、友達と麻雀をしたり、冬はウインタースポーツをやったり、バイトと遊びが中心の学生生活でしたね。でも、本はたくさん読んでいました。
バイトはとにかくたくさんの種類のバイトをしようと思って、力仕事から塾の先生、プールの監視員、ファーストフード、本当に色々やりました。

 どうして色んなバイトをしようと思ったんですか?

長縄さん 若くて何にも分かっていないなりに、色々経験をすれば社会に出てからこれが役に立つだろうと思ったんです。
その経験も今活きているかなと感じますね。

 学生時代になりたかったお仕事はなんですか?

長縄さん 先のことは何も考えていなかったんですが、バイトでやっていた塾の先生は楽しかったので、教育心理学も学んでいるし教育関係が良いんじゃないかなって思って、漠然と教育に進んでみようと思いました。
教育関係で求人検索したら塾が沢山出てきたので、まずは塾を中心に就活しましたね。

 正社員での塾の先生のお仕事は思っていたものと違っていたのですか?

長縄さん バイトは授業だけだったので楽しかったですが、就職したら仕事内容も増え、全然予想とは違うなぁと思いました。
バイトの時は結局、授業だけをやっていればよかったんですが、正社員ではそういう訳にはいきません。よりよい授業をするためには教材研究がとても大切なん ですが、就業時間中は授業のほかに保護者への電話掛けや営業活動、生徒の情報や成績の管理など、様々な業務をこなすため、なかなか時間がとれません。
なので、教材研究はテキストを家に持ち帰って、夜中までやる生活が続きました。
年を重ねていったときにこのまま今の仕事を続けていけるだろうかと考えて、転職のきっかけにもなりました。

 学生時代の経験で役に立ったことはありますか?

長縄さん バイトの経験が主に役立っていますね。
ファーストフードの接客業ではクレーム処理が多かったので、忍耐力や相手の立場に立って話をする力が身につきました。
あとは、引っ越しや工事現場のバイトでは年齢や生活環境など様々な人がいたので、たくさんの人とのコミュニケーションをとってきたことが今活きていると思います。

 

最後に3つお聞かせください

 仕事のために努力していることはありますか?

長縄さん 「会話力を上げる」ことです。
私自身、話をすることは嫌いではないのですが、まだあまり親しくない方や年齢の離れた方と会話をするときに、なかなか会話を続けることができないので、雑談力に関する本を読んでみたり、上司や先輩に色々と話を聞きながら、日々どうすれば会話力が上がるかを考えています。
最近心がけているのは、「自分のカラーを出す」ということと、「相手に得意分野の話をしてもらう」ということです。
両方とも難しくて、簡単にはいきませんが、これから年齢を重ねていく中で、会話力を上げるということが必ず仕事上の武器になってくると思っています。

 今のお仕事を漢字一文字で表すと?

長縄さん 「聴」ですね。
自分が話すのではなく、相手の話を聞くことが大事なので。

 長縄さんは何のために仕事をしていますか?

長縄さん 第一は家族のためです。そのためにこの仕事に転職もしましたし。
あとは国のためっていうと大げさですけど、みんなに良いものを使ってもらいたいという気持ちがあります。
悪いものを使って悪い子になってしまうより、良いものを使って良い子になってもらえるよう、そのために自分が現場で頂いた意見を改善に繋げ、良いものを提供していきたいですね。

岩田 ありがとうございました!とても勉強になりました。またご機会あれば色々とお話をお伺いさせてください。

 

取材後記

皆さんこんにちは、think for岩田です。
今回は、教科書営業の長縄さんのお話を聞きました。
お話を進める中で長縄さんは教科書が大好きなこと、ご自身のお仕事に誇りを持っていることがとても伝わってきました。

学生時代の専攻とバイトの経験から、進路を決めた長縄さん。お話の中でもありましたが、アルバイトと正社員としてのお仕事では負う責任や業務内容も違うので、大きな差があると思います。

このように好きで入ってみたが実際思っていた仕事ではなかった…という就職のミスマッチは思いのほか多いのではないでしょうか。

それを回避する方法として近年実施する会社が増えてきた「インターンシップ」に参加するという方法もあります。
インターンシップとは、学生が一定期間、実際に企業で働く体験ができる「職業体験制度」のことです。
アルバイトという扱いではなく、一人の社会人としてその会社で働くので、自身の能力や、求められる力、なるべき姿が見えてきます。
また、その会社がどんな会社なのか、内部から見ることができるのも魅力です。
私も実際に社会人向けのインターンシップを2ヶ月体験しましたが、その業界のことや会社のWebサイト等では分からなかった部分を自らの目で確認できたので、有効的な方法だと感じました。

調べたり聞いたりするだけでは限界もあるので、是非自分で体験し、様々なことを自ら感じ取ってください!

長縄さんの今後のさらなるご活躍をお祈りしております。
これからも引き続き、良いものを提供し続けてくださいね!   岩田

 

長縄さんから学生の皆さんへオススメの書籍

○考え方に影響を与えた本 ソフィーの世界
○仕事をする上で影響を受けた本 コーチング – 言葉と信念の魔術

 

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